最近、高度なDNA解析により、単なる、人・現代人/ホモサピエンスの進化が詳しく解明され始めただけでなく、例えば、アフリカを脱した人類がある時期に究極的に進化し(恐らく気温が高い環境下)、ネアンデルタール人・デニソワ人とホモサピエンス・現代人だけがその後の急速に寒冷化した氷河期を体験し、個体数が減少したネアンデルタール人・デニソワ人(極めて最近、沖縄の海中より発見された人骨のDNA解析)が地球上からいなくなり、ホモサピエンスだけが生き残っている状況である。夢物語かと聞き間違えるような、地球上から人が滅び、その後に台頭するかも知れない生物はどんな生物なのか、幾つかの記事が見られるようになった。
私も人が滅んだ後の地球を託せる生物についてはどの様な進化をして欲しいという個人的な連想を、呟いてみたいと想う。人工的遺伝子操作はしないような条件で構想してみた。というのは、この2-3か月という非常に短い時間で調査し、人工的に植物と動物の細胞を融合させたプラニマル細胞を作成して数日間生存させたという東京大学などの発表(考案した時期は2024年11月頃)を聞いたので、所謂自然淘汰型の、DNA と進化論でいわれる過程でも起りうるだろうという事を信じての想いを優先させたい。
恐竜から進化した鳥、社会・階層をコロニー経営が出来る昆虫の蟻、蛸だという人もいたり、ストーリーは我々が真剣に考えなければならないと思う。先ず鳥であるが、我々は飛べない鳥、ペンギンを知っている。やや人から見て心もとない2足歩行しているが、人類が発展した来たように、もっと強化された歩行になり、仲間の間でコミュニケーションが出来る小鳥・シジュウカラ(200-300語彙)のようになれば、先ず一歩である。参照⑧ 勝手な想いであるが、空を自由に飛ぶ頭脳明晰な烏(カラス)を支配下においた鳥社会はどうだろうか。次に昆虫の蟻はスキップして、蛸が台頭して来るという話もある。私は全く蛸の事は不勉強であった。
タコとイカは、約2億7000万年前に進化過程で分岐したとされているというが、吸盤を使って体の一部を制御する共通点や、体の構造の違いは、生物が進化の過程で常に最善の解決策を見つけ出すことを示唆していると思います。蛸は8本の吸盤の付いた足を独立にセグメント別に制御できる高度に発達した神経網を持っており、更に海から陸に上がってからも特別な呼吸が出来、かなりの時間を生き耐えるそうだ。更におまけを付けて、現代は大気中の酸素が20%含まれているが、歴史を遡って行くと酸素がまだまだ薄かった時代の名残りで発酵に重要な嫌気性細菌があり、酸素1%以下の環境を好み水中では水深1m程度ならば生きれるのだそうだ。そうすると動物もひもじい時期を乗り越える為に光合成が出来る動物もいても良さそうである。現蛸の進化系の薄い酸素大気、光合成も出来る植物性動物蛸が私の夢物語の中に出現するタコである。
読者の方で人類が滅んだ後で台頭する生物の夢を描いてみようと思いう方へ限られた情報を幾つか次に記す。
① 藤井一至著 『土と生命の46億年史』、BLUE BACKS
② 桜井弘著 『生命にとって金属とはなにか』、BLUE BACKS
動物で血液に用いられている金属元素としては、鉄、銅、マンガンが挙げられる。このなかで、脊椎動物のみが、ヘム鉄をもつヘモグロビンやミオグロビンのような酸素分子を効率よく結合できるタンパク質をもっていることは注目に値するなど。
③ ダーウィンの進化論(1850年代)に続く、よく考え直すと進化論の科学的根拠の説明が、遺伝子がコピーされる際の間違いで別の変った遺伝子に変異してしまい、それが、新たな環境下で生き延びれるか否かの自然淘汰という概念が進化といわれ、ダーウィンの自然淘汰の進化論であった。
④ 中立進化=中立変遺伝+遺伝的浮動 を1968年に考案した大塚資生氏の研究成果を拝見し、この中立進化で生物の形質遺伝子変異を上手く説明出来るのだそうだ。今の主流の考え方である。
⑤ 「無限の進化のタイムループ」にとらわれたバクテリアを発見、(ロビン・ローワーら、自然微生物学、2025)
個々のバクテリアの寿命はわずか数日であったためかその進化・遺伝子の変化スピードはめまぐるしく、1年間で何千世代もの進化が起こっていたが、季節が移り変わるとほとんど1年前と同じ状態に戻ること80%が分かったとのこと。バクテリアの遺伝子変異の究極的な結果として、20%が元の遺伝子から変化してしまった。
⑥ 窒素固定が出来る藻、始めは細胞内に共生している細菌の働きと疑ったが、DNA解析でこのビゲロイという藻自身が持つ働きと分かったそうだ。窒素固定が出来る植物は肥料無しで食料が可能で、これは食糧難を解決か、。
⑦ 光合成が出来るウミウシは餌資源である藻類が持っている葉緑体を消化することなく自分の腸壁細胞に取り込み、上手く機能させることにより光合成産物を得る。 これは盗葉緑体現象と呼ばれています。 葉緑体さえ取り込んだら光合成ができるかと言えば、実はそうではありません。 葉緑体は単体では機能しないので 光合成には葉緑体の外で作られる光合成タンパク質が必要です。 藻類は光合成タンパク質を葉緑体に運び、機能させる。
⑧ 自分の事を「人類史上、一番シジュウカラを観察した人間」と自負する東京大学 先端科学技術研究センター・鈴木俊貴氏。今後の目標は、動物行動学、言語学、認知科学を融合させた“動物言語学”という新しい分野を立ち上げて、動物のコミュニケーションの理解を深めること。シジュウカラがベースの20以上の単語を組み合わせて、2‐300語彙とも言われる言葉を使っているそうだ。シジュウカラAやコガラBの掛け声のやり取りを詳しく分析し、A語とB語の翻訳語まで存在する事にも言及している。2022年6月18日Newsweek