人工知能AIというより子供の成長をみて

今や誰もが人工知能AI(artificial intelligence)と言って何も疑わない。

実は殆どの人がそのプロセス、如何にAIの示している事が導き出されるか知らないし、専門家に説明されても分からないと思っている。

数学的専門用語を使って申し訳けないが、私自身も若いころ(47年も前になってしまった)に、数値解析や汎用コンピュータしかない時代に独自にやっていた。非線形関数のテーラー展開、多変数解を得るために最小2乗法を適用し行列式で近似解を求める、その過程でデータから入れ替え行列、逆行列を生成、その初期値生成のために初期パラメータのランダム化にマルコフ法を適用したり、行列式をいっぺんに解かず(発散する場合がある)、のそりのそりと収束させた。

そういった行列式を解く過程がAIのpythonというプログラムの中に組み込まれているという。

machine learning deep learning neuromorphic process グーグルの猫の顔の話など、少しAI関連の事に触れた方はキーワードとして重要な事は分かるが詳しく知ろうとしても先に進まない。

さて、人の子供、赤ちゃんがこの世に生まれ少なくとも簡単な言葉が話せる2歳始めまでの事を詳しく観察できる機会を得て、所謂AIのプロセスを考察したい。

生まれたての赤ちゃんの視力は弱く、先ず音声が耳から入り、脳で受容認知され、記憶として形成されていくであろう。その際に優先して受容される音声は母親の呼びかける言葉を始め、家族であることは間違いない。

だんだん視力が良くなり目を動かし周囲を興味深く観察しだす。それと共に先に受容認知していた音声と何か初めて視野で認知された映像が次に記憶されるであろう。それらが音声というラベルで、記憶される映像が紐付きされるであろう。後にそれら音声単独の記憶の発達、単語レベルの数の増大と言葉としての構造化(あえて文法とは言わない)の習得が進むであろう。

赤ちゃんの言葉の受容、学びは周囲の真似から始まる。それも簡単に言いやすい発声しやすい言葉以前のあー、うー、ふーとかである。次に同じ母音を2つ繰り返すあーあー、うーうーである。更に異なる母音が組み合わさった発声の真似になる。このレベルで簡単な言葉だが結構な組合わせができる。その先は容易に類推できるが3音の組み合わさった言葉の真似である。

にこにこー猫のこと(飼っている猫の名前がにこ)

わんわんー犬のこと

おかさな(お魚のこと、一部かとさが入れ替わっている)

おとうさん、おかあさん(両親が所謂パパ、ママと言わせなかった)

次の段階で言葉の構造化、xx yy(またはyyy)の真似ができる。抽象化は未成熟なので、もの、名詞で表現出来る映像が伴うことが必須である。事例を二-三あげてみる、

わんわん おおきい (大きな犬)

(父親が家に居ない時)

おとうさん、しごと

おとうさん、かいもの

順次観察された言葉文章表現レベルまでのまとめ(2歳2-3ヵ月頃まで)と周囲の道具デバイス(あえておもちゃとは言わない)にどのくらい興味を持って使いたがるか、自分の意のままに使いこなすかについてまとめ(2歳2-3か月)をしたい。そのうちに子供TV番組の歌とダンスを覚えて、結構長い時間の歌詞やふりを真似している。これぞ、文盲の大人のレベル。下手に文字を覚えた大人はそれらの歌詞が空では覚えられない。

さらに、願望の表現と行動へ

親に身体を持ち上げて、高い高いをして欲しい

親がキッチンにしまってある網かごを探しに行き、見つけ網かごを帽子のように被りたがる

実はスマフォの操作(親の真似)が出来、YouTubeの見たい映像の再生、ストップの印を覚え

それらができる

4×3や5×4ピース程度の所謂ジグソーパズルで、好きな絵合わせをしたがる

カンカン、見に行きたい(近くの電車が通る踏切がカンカンと鳴るので)

こう見ると遥かにAIを超えていると言わざるを得ない。個体差・個人差(主に環境・親の接し方)はあるが、2歳を超えたこの2-3か月という短い時間に小さな脳の中で人らしく成長し、大人への第1歩を踏み出していると確信する。(続く)

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