Glazing 4

ゼーゲルが教えてくれた釉薬を調合するゼーゲル式は、再現性が良く、科学的に釉薬の発色、材料としてのガラス化などを安定にさせてくれますが、材料を重量%でなく、モル%で調合する事が必要です。

ざっと、彼が示したモル%は釉薬の各成分では以下のような値にする事が必要であると説明しています。

  アルカリ性イオン酸化物(RO)の総計を   1モルと固定します。

  シリカ成分(SiO2)                1-7モルの範囲とします。

  アルミナ成分(Al2O3)          0.1-1.0モルの範囲とします。

それらに、着色、発色させる金属酸化物を混合します。以上が、ゼーゲルの鼻薬の呪い的調合式の概要説明です。

<難関アボガドロ数> 人の感覚として、水1ccの重さが1g、水の化学式、H2Oを考えます。モルという考えには分子量という基準を取り入れます。先ず水素の分子量は1、酸素の分子量は16です。化学式に従って、1×2+16と計算し、合計が18となります。これにgを付けて、水18gで水の分子が1モル数含まれているという話とします。では眼の前の水が18g、18ccには水の分子H2Oがどの位含まれているかというと、約6.0×10の23乗個含まれるという話です。この6.0x10の23乗個というのが分子1モル分で全てに共通なものです。これを化学の世界ではアボガドロ数といます。古くからその分野を研究された、Mr.アボガドロ (イタリア: 1776 – 1856年)に因んで名付けられています。

実際、釉薬の調合には裏にあるゼーゲル式に基づいた成分割合を、各粘土、釉薬の基材について成分分析を行って、重量%で混ぜる表記にしておきます。これが便利です。

厄介な問題とはモル数を如何にして重量%に換算するか、各粘土、釉薬の基材について成分分析を予め行っておくことが必要だという事です。昔の陶工は経験で全てを行っていたわけですから、凄いと言わざるをえません。

 

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