MOT
Management of Technologyのことで技術経営と呼ばれる。
これに関する書籍は書店へ行くと数知れず出版されている。
最近私が読み直したMOTに関する本がある。2007年に亡くなられた知り合いの方が書かれたものである。こう書くと、お叱りを受けそうなので、前に務めていた会社の上司の上司にあたる研究所の所長まで勤めた方が、実体験を元にかかれたMOT本なので、説得力がある。
とかく大学の先生方で、経営の実体験がないまま上梓されることが多い。この場合は資料の分析や企業経営者のヒアリングを元に書かれている。
大企業でも、サービスや製品のライフサイクルが短くなって来ており、多くの失敗や不採算事業の売却、撤退、合弁・提携で凌ごうとしたりする。なかなか、他社に先んじて新しい企画、行動が取れないのである。役所みたいに先例があることを理由に走り出すともう遅いのである。
Managementは管理でなく、経営である。
MOTは物作りをしているメーカだけのこととしているのが誤解である。“ものつくり”はある企業が提供しているサービス(コンサル業も含む)、ソフト、ハード(物)全てを網羅するものであると考えると、例えば、斬新で革新的な財務処理の仕組みを創造し、それを提供できる企業でもMOTは必要である。
今読んでいるMOT本は組織内でいかに人材育成をしていくかを説いている。其の人材は企業の存続を左右するコアコンピタンスを創っていく人材である。他社の弱みを見つけ、自社が先んじてそれを強みとすることと指摘している。無用なシーズ開発より、本当に市場(顧客)が望んでいるニーズを見極め、企業としての資源を投入すべきである。
官公庁でもMOTを考えるべきで、市民へ提供するサービス、どのような仕組みが望まれるか考えて、役所の組織改革、人材改革をすべきで、良し悪しを計る最良のインデックスは最小の税金で最大の満足を得られることであり、政治家に資格が必要だというニュース記事があったようだが、最低MOTを修めてもらいたい。
2008年9月起稿
2010年4月加筆